伊藤熹朔賞新人賞受賞作品
2007年度
ピッコロ劇団公演『飛んで孫悟空』
2007年度伊藤熹朔賞本賞、新人賞、奨励賞、特別賞の授賞式が、2008年3月俳優座劇場にて行われました。
この、「飛んで孫悟空」という作品は、兵庫県立ピッコロ劇団が創立以来続ける、親子向けのファミリー劇場で、私自身が心から楽しいと思える作品です。
ピッコロ劇団に関わらせていただき、3作目の作品となりますが、
何が嬉しいって、子供の笑い声、それを眺める親の笑顔が見られた瞬間がこの上なく嬉しい瞬間なのです。
その大好きな作品に出逢わせて頂いたこと、そして、評価いただけたことは、大変ありがたき幸せ。この場を借りて感謝の意を表したいと思います。
衣装製作秘話
色んな妖怪が出てくるけど、どんな感じでプランニングするの??
伊藤熹朔賞新人賞にノミネートされた上の写真左『シーリン』は蛇の妖怪、写真右『ユーリン』は鳥の妖怪なのよ
そうなんだ!
でも何で蛇と鳥の妖怪だったの?
それはね!お姉さんの『シーリン』は、美味しそうな人間を見ると「これ食べていいの?」と言ってしまう口癖がある。
だから、生き物を丸ごと飲み込んじゃう蛇に見立てたって訳。
妹の『ユーリン』は、いつもお婿さんを探してるの。
私たち人間も、異性にモテたいと思ったら、お洒落したり、美容に力を入れるじゃない。オスの孔雀は相手を威嚇する時や、メスにアピールする時、羽根を広げるよね。美しさと存在感を自ら放っている所が、ユーリンに似ていると思ったの。
だから、ユーリンは妖怪に変身した時、羽根を広げられる様にデザインしたの。孔雀からインスピレーションをもらったって事。
変身前と変身後(ビフォー&アフター)の写真を見せるね!
妖怪姉妹変身前
コンセプトのまとめ
彼女達は永遠の命を手に入れるために、普段はお茶屋さんにいて訪れるお客さんを物色しているのよね。
それぞれの口癖からイメージする生き物がデザインコンセプトになったの。
妖怪姉妹変身後
コンセプト
彼女達は「ありがとう」と言われると、妖怪に変身しちゃう。
喉が渇いて死にそうだった三蔵法師一行たちに感謝されて変身するシーンは見所。
一瞬で変われるよう、シーリンは歌舞伎の「引抜き」の手法を取り入れている。
ユーリンは、スカートの裏側前面に羽根を仕込んで、スカートを広げると孔雀の羽根が広がった様なデザインに仕上げたの。
スカートの羽根は、自由自在に動かせるようにし、可動域を広く取れるようパターン(製図)を引いてるの。
髪飾りも早替え仕様に細工し、妖艶で美しい妖怪姉妹が誕生したわ。