かれこれ卒業して30年経ちますが、母校上田安子服飾専門学校にて、
舞台衣装についての特別講義をさせて頂きました。
5年程前に舞台衣装専攻コースができ、現在3年生40名、2年生30名の学生が在籍しているそうです。
2.5次元等の舞台衣装に携わりたい人、
アイドルの衣装を手掛けたい人、
テーマパークやサーカスの衣装や、
劇団四季、宝塚歌劇団等で衣装をつくりたいという
夢を持っている学生の他にも、衣装の縫製に携わり人もいる中、
実際学生たちが知りたいことを事前に書いてもらい、講義の内容を組み立てることにしました。
舞台における「衣装」の立ち位置と構図
漠然と舞台衣装の仕事といえども、さまざまな仕事があります。
ざっくりと表にしてみました。
へぇ〜〜!衣装といってもいろんな仕事があるんだね!!
そうなのよ。ちなみに私は舞台衣装家なので、ピンクの線でいう「プランナー職」。
分かりやすくいうと「衣装のデザインをする人」なんだけど、衣装に関する全ての権限を持っている衣装の統括責任者ってところかな。髪型やメイク、靴や鞄に至るまでキャラクター(=登場人物)の全身をデザインするよ!
デザインだけできたらいい訳じゃないんだね・・・
衣装も縫えないといけないんでしょう!?
衣装の制作に関しては、縫えないプランナーだっているんだよ。
私がアシスタントさせてもらっていた舞台衣装家の第一人者の先生は、美大出身で衣装を縫うことは1度もなかったよ。
「汚し」(=生活感を出すためにシワや汚れを入れること)は、やっていたけどね。
へ〜。じゃあ衣装は誰が縫ってるの??
商業ベースの舞台だったら、プランナーのデザインを元に、衣装の制作会社が責任を持って全部形にするよ。
ちなみに、私はパターンも縫製もできるので、プラン料とは別に衣装の制作費をいただいて制作も担っている感じ。
プランナーと制作者とでは、必要とされる能力が違うことがわかってもらえたかな??
舞台衣装家になるためにに必要なステップとスキル
教育とトレーニング
舞台衣装のデザイン、製作、歴史、およびテクニックに関するコースを受講できる専門学校や大学を探しましょう。
舞台での現場で実務経験を積む
舞台に関する経験が非常に重要です。演劇やダンス団体、オペラなどの舞台プロダクションで助手として働くか、舞台衣装チームに参加して実務経験を積みましょう。
芸術的なセンス
芸術的なセンスや創造性が舞台衣装デザイナーにとって不可欠です。キャラクターや物語を視覚的に表現する能力が求められます。
身につけるスキル
伝える伝わるデザイン画を描く意識をする事が特に重要!
その他には、目的に応じたパターンメイキング、
早くキレイに縫う技術を磨くと喜ばれます。
時には染色やテキスタイルなどのスキルが役に立つことがあります。
調査と歴史の知識
衣装デザイナーは、特定の時代背景や文化に基づいて衣装をデザインする必要があるため、歴史的な知識と研究のスキルが必要です。
コミュニケーション能力
舞台衣装デザイナーは、演出家、役者、衣装チームと効果的にコミュニケーションをとる必要があります。
プロジェクトの要求やビジョンを明確に伝える能力が求められます。
ポートフォリオの構築
作品のポートフォリオを構築しましょう。
過去のプロジェクトやデザインのサンプルを収集し、
ポートフォリオを通じて自身のスキルとスタイルを
アピールできるようにしてください。
横のつながりを意識する
仕事に繋げるためにも、業界のプロとつながりを築くことが大切です。
私は、仕事をいただくために県立の劇場が主宰している技術学校に入学し、
信頼関係を築く努力をしたつもりです。
結果大きな仕事をいただけるようになりました。
何より楽しんで!
好きでこそ続けられるもの。厳しく辛いことを楽しめるようになったら一人前に近づいた証拠だと思う。